2011年11月10日木曜日

ポリオワクチンの話

先日お会いした看護師さんが、「副作用を怖れてポリオワクチンの接種を見送るケースが増えてきている。ワクチンを接種しない方がいろいろとリスクが高く、最悪の場合ポリオウィルスが流行するケースもあると思うんだが、あまりニュースでとりあげないなぁ。」と心配していた。あまり穏やかな話ではないのでちょっと調べてみたところ、Google先生を使うと下記のようなニュースがいくつかヒットした。


ポリオワクチン 「不活化」導入めぐり混乱 2011年11月8日東京新聞TOKYO Web より

予防接種法で、定期接種として乳幼児が受けるよう努力義務が課されているポリオ(小児まひ)のワクチン。現行の生ワクチンに、まひの副作用の恐れがあるとして、接種を控える保護者が増えている。ただ、まひが出ない不活化ワクチンの導入は、早くても二〇一三年春の予定。関係者らは「免疫のない子どもが増えるのでは」と危機感を抱いている。 (佐橋大、境田未緒)  
~<中略>~
この母親と同様、不活化ワクチンの国内導入が話題になってから、接種を迷う保護者が増えている。ポリオワクチンは、毎年春と秋に集団接種している自治体が多い。厚生労働省のまとめでは、今年四~六月の接種者数は、昨年同期に比べ、全国平均で17・5%も減った。
~<中略>~
接種者の減少や、中国でポリオの流行が発生したという報告を受けて厚労省は十月初旬、定期接種を呼び掛けた。  
~<中略>~
不活化ワクチンを個人輸入し、接種している岐阜市の矢嶋小児科小児循環器クリニックの矢嶋茂裕院長は「本来は、国が緊急輸入して供給体制を整えるべきだ」とした上で、「生でも不活化でも、接種しないという選択はない」と保護者に注意を呼び掛けている。

<ポリオワクチン> ポリオのまひには有効な治療法がなく、ワクチンで感染を防ぐ。病原性を弱めたウイルスが入っている生ワクチン(経口)とウイルスを殺した不活化ワクチン(注射)があり、流行のない先進国のほとんどでは不活化を導入している。生ワクチンは2回接種。不活化ワクチンは4回ほど接種する。現在、不活化を輸入している医療機関では、不活化を2回打ってまひの危険を抑え、生を2回接種する方法を勧めている所も多い。

記事の中でも「接種しない選択はない」とあるが、実際には接種を控えるケースが増えていることがデータに表れている。ポリオを根絶していたタジキスタンでは、昨年、ウイルスが海外から伝播し、死亡者も出た。


タジキスタンでポリオ再発の緊急事態 2010年6月11日 UNICEF プレスリリース より

タジキスタンでは6月4日現在、581例の急性弛緩性麻痺が認められ、このうち、感染力の強い野生株ポリオウィルス1型が183名から検出されました。これらのケースのうち、大半は6歳未満の子どもで、5名の死亡がポリオと関連付けられています。
~<中略>~
UNICEF Tajikistan
ポリオはかかってしまうと治療法はありませんが、ワクチン接種により防ぐことが可能です。

ワクチン接種をしない選択をする人が増えれば、ここ日本でも同じことが起こりうるのだから、専門家達が怖れているのも頷けた。しかし、例えどんなに確率が低くとも、麻痺や死亡のケースが実際にある生ワクチンをためらう親の気持ちもよく分かる。高価な不活化ワクチンを購入できる経済力があるならば良いが、至難というケースもあるであろう。

……、一刻も早い不活化ワクチンの導入が望まれるという月並みの言葉しか今のところ出てこないよ。

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